核医学プチ講座 ブルズアイ(その1) ブルズアイっていったいなんだ!?


心筋血流SPECT検査を中心に心臓核医学診断では画像表示に「ブルズアイ(Bull’s-Eye)」が用いられます。最近では心臓MRIや心臓CT(Perfusion CT)でも採用されていますので、今回は画像表示方法の基礎について述べさせていただきます。

3方向+α見える!

心筋SPECT等の検査では画像表示として3方向の断面表示に加え、ブルズアイ(Bull’s-Eye)が表示されます(Fig1)。

のっけから余談話を展開しますが、「ブルズアイ」を「ヤ○―」や「グーグ○」で検索しますとディズニーのトイストーリーに出てくる馬がHitします。次に出てくるのが「ダーツや射撃の中心円」です。またその「中心円」を射貫くという意味で航空軍事用語でも使われています。まずはダーツに使用される標的盤でイメージを膨らませてください。 さて、心筋SPECT画像の再構成では前述の3方向が表示されます。水平方向長軸(Horizonal Long Axis:HLA)、垂直方向長軸(Vertical Long Axis:VLA)、そして短軸(Short Axis:SA)があります。(Fig2)

短軸像を心尖部から心基部まで同心円状に投影したものが「ブルズアイ(Bull’s-Eye)」となりますが、同心円状に展開していることから「極座標表示」「Polar-Map」とも呼ばれています。(Fig3)

ブルズアイで見てみると

ブルズアイ(極座標表示画像)では統計検定に基づいた異常領域の抽出が可能となります。またSPECT上での各区域に応じたカウントをScore表示することも出来ます。(Fig4,Fig5)

ちなみに冠動脈との標準的な位置関係も加えると以下のようになります。(Fig6)

誌面の関係で次回は「その2」として、ブルズアイ画面の見方や評価方法についてお話させていただきます。
放射線技術科主任・核医学専門認定技師 荒田