VMATご存知ですか?


VMATご存知ですか?

さて今回は、2021年に当院に新しく導入されたVMATについて紹介させていただきます。
VMATとは、強度変調回転照射法(Volumetric Modulated Arc Therapy : VMAT)のことで、IMRT※1の技術に従来日本で行われていた回転原体照射の機能を加えた照射法です。 マルチリーフコリメータ(Multi Leaf Collimator : MLC)※2を常に動かしながらガントリの回転速度と照射線量率を変化させることで強度変調をおこないます。これにより照射時間の短縮が可能となります。

IMRT (固定7門) vs VMAT (1回転)

VMATの最大の利点は、従来おこなってきた固定IMRTに比べ、病巣への線量集中はそのままで(もしくはそれ以上の集中性が確保できる)、短時間での治療が可能となる点です(fig.1)。
治療部位や照射方法にもよりますが、これまで10分以上必要であった照射時間が、数分で終了となります。これにより患者さんの負担が軽減され、より楽に治療が受けられるようになります。また、治療時間の短縮が可能となりますので、治療中の体の動きによる位置誤差も少なくできます。より安全で高精度な放射線治療を受けることができます。適応疾患※3についても、これまで以上に選択の拡大が期待できます。

※3)適応疾患

脳腫瘍、多発性脳転移、頭頸部癌、食道癌、肝胆膵癌、前立腺癌、骨転移など

治療装置の品実管理(QAQC)に関しても、VMATに対応した専用の検証装置を導入しました。
安全で安心できる放射線治療の提供を目標に、スタッフ一同頑張って参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。