脳DATスキャンのご紹介


パーキンソン症候群およびレビー小体型認知症の画像診断が可能になりました

脳核医学画像診断の最新の話題として、パーキンソン症候群およびレビー小体型認知症を対象とした検査名「脳DATスキャン」:ドーパミントランスポータシンチグラフィーを紹介させていただきます。

2014年1月27日(月)より(株)日本メジフィジックスより「ダットスキャン静注」(123I-イオフルパン:123I-FI-CIT)の販売開始となり、当院でも検査を開始しております。

本製剤ではパーキンソン病(PD)およびレビー小体型認知症(DLB)にみられる黒質線条体ドパミン神経の変性・脱落を評価するために、黒質線条体ドパミン神経のターミナル(終末)に高発現している、ドパミントランスポーター(DAT)の結合能の評価をターゲットとします。ゆえに黒質線条体ドパミン神経の変性・脱落により、本製剤の線条体への集積は低下することで

①臨床的に診断が確定しないパーキンソン症候群患者において,特発性パーキンソン病に関連するパーキンソン症候群,多系統萎縮症,及び進行性核上性麻痺と本態性振戦(ET)の鑑別診断

②レビー小体型認知症(DLB)と推定される病態とアルツハイマー型認知症(AD)の識別診断

が期待されます。

線条体への集積は年齢ごとに減少していくとの報告もあり、脳血流の統計解析手法と同様に今後解析方法等の更なる開発は進んで行くと思われます。21世紀の脳核医学診断の第一弾としてご紹介させていただきました。

図1