今回は2021年3月に更新となった新しいCT装置Revolutionでの頭部単純撮影についてご紹介します。
わずか1秒
“Revolution”はGE社製256列マルチスライスCT装置で、最高位モデルとなります。従来より短時間、高精細、低被ばく撮影が可能になりました。
最大50cm径で16cmの範囲をわずか1秒で撮影できます。頭部撮影では以前はヘリカル(らせん状)スキャンで寝台を動かしながら10秒程かける方法だけでしたが、それに比べてはるかに撮影時間が短くなりました。当直業務に入っておりますと、頭部のCT撮影を頻繁に行います。夜間救急で運ばれてくる小児や認知症、泥酔した患者さんなどの場合は撮影中静止していることが難しいため非常に役に立っています。
脳実質が鮮明に
画質に関しましてもAIによるディープラーニングを用いた新しい画像再構成により脳実質のわずかな濃度差をより鮮明に写すことが可能になりました。以前からある装置に比べ新しい装置の画像の方が灰白質と白質の境界が明瞭に見えます。
もちろん低被ばく
被ばく線量は、“診断参考レベル”という撮影時の放射線量が他の医療機関と比較して高すぎていないかを判断する目安となる線量指標が公表されており、成人の頭部CTの診断参考レベルは77mGyと言われています。当院では従来装置での撮影が約76mGy、新しい装置では約66mGyと13%もの被ばく量が低減された事例もあります。
他の部位に関しましても、適切な線量で診断に適した画像を提供して行きたいと思いますので今後ともよろしくお願い申し上げます。