256列のパワー!新入りCTが凄い!


2021年3月から、GEヘルスケア社のRevolution CTが当院に新しく設置されました。2021年9月号のニュースレターで少しだけ登場しましたが、今回は大きく4つに分けて詳しくご紹介させていただきます。この装置を簡潔に表すなら“速く綺麗に撮れる”。その高性能っぷりに私たちも日々驚かされています。そんなRevolution CTの魅力を少しでもお伝えできればと思います。

一目瞭然!4倍撮影が可能に

このCT最大の特徴は、256列マルチスライスCTであるというところです。0.625mmの検出器が管球に対し256列並んでいるので、1回転で0.625mm×256つまり16cm分撮影できます(身の回りのものでわかりやすく例えると1万円札の長尺側と同じ長さです)。すでに当院にある従来CT(64列)では1回転4cm分撮影が可能ということなので、4倍撮影できる範囲が広がったということになります。では、この256列の力が生かされるときとはいったいどんな時でしょうか?

1回転スキャンで頭部もバッチリ

1回転スキャンの素晴らしさを最も実感するのが頭部CT撮影です。頭部撮影中は動かないでいることが重要であるため、患者さんには10数秒間ほど動かずじっとしてもらう必要がありました。しかし、中にはどうしても動いてしまう患者さんもいらっしゃいます。そこで登場するのがこの1回転スキャンです。16cm以内であればなんと1秒で撮影することができます。これによって、長時間じっとしていることが困難な患者さんの検査もスムーズに行うことができます。

幅広な検出器を生かした高速撮影

先述の頭部撮影だけでなく、他部位の撮影も速いのがこのRevolution CTの素晴らしい点になります。従来CT(64列)と比較すると、体幹部の撮影時間が1/2~1/3程度になりました。呼吸苦などで息を止めていられない患者さんや小児の撮影で力を発揮してくれています。

高心拍・不整脈どんとこいの心臓撮影

造影検査といえば様々ありますが、なかなか一筋縄ではいかないのが心臓CT検査です。特に高心拍や不整脈がある心臓だとブレが大きく、思うような画像が得られない場合も多々ありましたが、このCTを導入してからは格段に減少しました。
ここでも大活躍するのが1回転スキャンです。従来CT装置は約4回転のスキャンと長い息止めを必要としていましたが、16cm以内の心臓であれば、1回転分つまり1秒以下で撮影可能になりました。具体例として、従来CTとRevolution CTとで比較した資料を掲載いたします。どちらも同じ患者さんを撮影しています。Revolution CTでの撮影の方が高心拍ですが、LAD分枝がはっきりと映し出されています。従来CTも管球回転速度が速く心臓CTに強い装置でしたが、Revolution CTはそれを遥かに上回る性能になっています。何回転もスキャンがいらないので画像のブレを抑制できることに加え、10秒以上の息止めをしていただくことも無くなりました 。

Revolution CTを迎え入れてから、提供できる画像の質が大幅にアップし、短時間撮影の実現により患者さんの負担を軽減することができるようになりました。私たちも装置の進歩に負けず、より一層精進して参ります。今後ともよろしくお願いいたします。
清水