昨年の12月より当院健康医学センターにおいて乳がん検診に特化した「乳がんドック」を新設したことをお伝えいたしました。今回は、受診のメリットをご紹介いたします。
乳房の構成(乳腺密度)を知ろう!
受診者は自分の乳房の状況(乳腺密度)・自分の乳がんリスク・年齢などを考えて、適切な乳がん検査を選択し受診することが大切です。
一般的に、日本女性は欧米女性の乳房(脂肪を含んだ乳腺密度が少ない大きい乳房)と異なり乳腺密度が濃い乳房の人が多く(不均一高濃度・高濃度の乳房)マンモグラフィだけでは、乳がんを見つけづらくなるため、超音波検査も併せて受診いただくことをおすすめしています。
当院の乳がんドック(B・Cコース:超音波検査を含むもの)を受診いただくと検査結果、判定と共に乳房の構成(乳腺密度)、今後における適切な乳がん検診の選択方法をお伝えしています。
乳腺密度の違いとは?
マンモグラフィは、乳がんを白い塊として写しだすもの。しかし乳腺もまた、白く写る。つまり、乳腺密度が濃いと真っ白な画像になってしまい、乳がんが見えづらくなってしまうのです。乳腺は母乳をつくるところですから、若ければ若いほどその密度は濃く、年を重ねるにつれ徐々に薄くなっていくものです。欧米女性の場合、日本人に比べ乳腺密度が少ないことが多く、さらに乳がんの罹患年齢のピークがおよそ60〜70歳。したがって乳腺密度も薄く、マンモグラフィでも比較的見つけやすい。ところが、日本人女性の場合は罹患年齢のピークが40代、と非常に若い。加えて、50歳以上でも乳腺が濃い女性が多い。つまり、日本人女性は”マンモグラフィに不向き”なのです。
現在、横浜市乳がん検診(マンモグラフィ)では2年に1回の検査が行われています。検査は40歳代は2方向、50歳以上は1方向の撮影です。この検査だけでは心配との受診者の声が多く、その際は当院の乳がんドックAコースもしくは3Dマンモグラフィを含むCコースをおすすめしています。
乳房について相談された際は、是非、当院の乳がんドックをおすすめしていただけましたら幸いです。女性の大切な命と乳房を守るため、早期発見率を高める努力をしていきますので、これからも何卒よろしくお願いいたします。(マンモグラフィ認定技師 小曽根容子)