今後の画像読取装置(カセットタイプデジタルラジオグラフィーFPD)とは


デジタルレントゲンの元祖はCR

数年前までは、カセットにX線をあて中のフイルムを現像機で現像しシャウカステンで読影を行っていました(アナログ撮影)。その後、当院でもフイルムに変わりIPカセッテ(イメージングプレート)を使用するCR(Computed Radiography)システムに移行しモニターで画像診断するようになりました(デジタル撮影)。デジタル化されモニター診断が可能となり、様々な濃度で画像を見ることが可能になりました。
しかし、CRシステムではX線をあてたIPカセッテのデータを読み取り装置に入れ、読み取った画像をサーバーに転送し、読み取った情報を消去するなど作業工程に多くの時間がかかりました。

FPD (Flat panel Detector)とは

現在各社より発売されているX線自動検出装置FPD(フラットパネルデジタルラジオグラフィーFPD)は、簡単に言えば高級デジタル一眼カメラです。従来のIPに変わり、カセッテ内にフォトダイオード(検出器)が敷き詰められており、X線信号から電気信号への変換がカセッテ内のフォトダイオードで瞬時に行われ、同時に無線通信で撮影画像がモニター上にリアルタイムで出力されます。このフォトダイオードに記憶された画像は数秒間で消去され、次の撮影も直ぐ出来る特徴を持っています。
今までは病棟のポータブル撮影に数十枚のIPカセッテを用意しなくてはいけませんでしたが、1枚のバッテリー内蔵型カセッテで(1回の充電で)、100画像以上の撮影が可能になります。カセッテがワイヤレスタイプであるので、物理的な装置との接続も不要です。さらに被曝線量の低減(50%減)も可能だそうです。
ポータブル撮影業務の効率化はもちろんのこと、一般撮影室でも使用できる装置であり価格も発売当初より下がってきましたので、今後急速に広まる医療画像装置の一つと思います。

図1