知っているようで知らない マンモグラフィーの基礎①


マンモグラフィーをどのように撮影するかご存知ですか?

乳房を圧迫板で薄くぴんとのばして「耐えられる最大限の圧迫」を加えて撮影します。日本人女性の場合120ニュートン(kg.m/s2) 程度の圧で撮影されることが多いです。
できるだけ薄くのばすことで少ない被曝量で解像度、コントラストに優れたよい画像を撮影することができます。
「苦痛が少なく」かつ「画質のよい写真を撮影」することは撮影技師の腕の見せ所です。

標準的撮影方法
斜めに乳房を圧迫する内外斜方向(Mediolateral Oblique:MLO)撮影と、水平に圧迫する頭尾方向(Cranio-Caudal:CC)撮影があります。

MLO撮影は一方向で乳腺組織全体を最も広く描出できる撮影方法です。特に乳腺組織量が多い乳房の上外側の深部組織がよく描出されます。
横浜市も含め多くの自治体による対策型検診では50歳以上の女性にはMLO一方向撮影で検診が行われています。

図1

マンモグラフィーには何がうつっているのでしょう?

図2

すべての乳がんがマンモグラフィでみえる?!わけではない

図3

図5

マンモグラフィの撮影範囲に入らなければ、がんがあっても描出されません。
乳房の内側は乳房組織や脂肪組織が薄く、腫瘤ができると触知しやすい部位でもあるのです。乳房触診を行う際には、この部位に腫瘍がないかも意識してみていただけるとありがたいです。

撮影体位図は医学書院 マンモグラフィガイドライン第3版 p8-9図より引用

症例は当院手術症例より