パワーアップした 3.0T MRI を紹介!


3.0TのMRI装置が更新となり、「SIGNA Architect シグナ アーキテクト」という最新のMRI装置にバージョンアップしました。
ディープラーニング画像再構成である「AIR Recon DL エアー リコン ディーエル」が使用可能になったことに加え、新コイルである「AIR Coil エアーコイル」が導入されました。

ココが変わった!AI搭載!画像再構成技術

AIR Recon DLは、撮像された生データ(Rawデータ)全体に直接ディープラーニングアルゴリズムを適用する画像再構成技術です。詳細な解説は紙面の関係上省略しますが、AI(人工知能)を活用しており、以下の3つの効果を同時に得ることができます:

● ノイズ低減:SNR(信号対雑音比)が大幅に向上
● 画像尖鋭度の向上:空間分解能が改善
● トランケーションアーチファクト*の低減:画像への悪影響を軽減

これらの効果により、より鮮明で高画質なMRI画像が得られるようになります。
従来の装置では、高分解能・高画質な画像を得るためには撮像時間が長くなるという課題がありました。しかし、AIR Recon DLの導入により、高画質化と撮像時間短縮を同時に実現。これにより、検査時間が短縮され、狭い空間で長時間じっとしていなければならない患者さんの負担を大きく軽減することが可能になりました。

*トランケーションアーチファクト:「データ不足」が原因で、画像内に
縞模様や線が描出されてしまう現象

毛布のようなコイル

MRI検査ではコイルを使用して 撮像を行ないますが、ポジショニングのとき、患者さんからコイルが重くてしんどいと言われることがありました。しかし、このAIRコイルは従来のコイルと比べはるかに軽くやわらかい素材でフィット感があり、まるで毛布に包まれているような安心感があります。AIRコイルは、内部に小型の独立したコイルが高密度に配置されており、隣り合うコイル間
の電気的な干渉を最小限に抑えています。これにより信号低下を抑制し、やわらかいコイルを使用しても撮像への影響が少なくなるよう工夫されています。
また、検査をする放射線技師の立場からすると、患者さんへのコイルのセッティングのしやすさと広い適用範囲による画質の安定性向上が見込まれます。 軽くて柔軟性の高いコイルは取り扱いやすく撮像部位にフィットします。従来は撮像部位に合わせた適切なコイル選択が重要で、MRI担当技師の知識や経験に左右される部分が多かったのですが、そういった手間がほぼ不要になります。