当院の胃X線検査では、NPO法人日本消化器がん検診精度管理評価機構が推奨する基準撮影法を基に撮影を行っております。今回は、下図の6番・7番の『胃体中部から幽門部の前壁撮影』について紹介させていただきます。
基準撮影法を基にした当院での撮影
被検者に寝台へ腹臥位となってもらい、逆傾斜をかけて頭低位とするため肩当てを使用し、安全性に留意して撮影をしています。その際、体中部から体下部前壁の粘膜面を広く描出するため、腹臥位となる被検者の心窩部に圧迫用フトンを挿入してから逆傾斜をかけて撮影をします。
また、胃の形(鈎状胃・下垂胃・横胃・牛角胃・瀑状胃)や体格によって圧迫用フトンの大きさ・厚みや挿入位置を変えています。
このように前壁撮影する際に、適正に圧迫用フトンを使用することは描出能を向上させることができ、精度向上にも繋がります。
しかしながら、胃の形や体型により圧迫用フトンを使用しても描出が難しい場合もあるため、様々な工夫が必要となります。
普段の努力を大切にしながら研鑽を重ねていき、精度の高い検診を目指したいです。
小曽根