リードレスペースメーカーについて


2017年より日本でもリードレスペースメーカーが保険適応になりました。

リードレスペースメーカーはカプセル型で、小さなフックで心室壁に固定し心室に電気信号を送ります。
従来のペースメーカーとは異なりジェネレーターを入れるポケットを作らなくてすむため、感染のリスクや患者さんの痛みを軽減できます。またリードもありませんのでリードの断線による動作不具合もありません。留置後は条件付きではありますがMRIの撮影も可能です。

当院でも先日1症例目のリードレスペースメーカーを施行しました。
大腿静脈を穿刺しシースを右心室まで到達させ、先端から造影し留置する場所を確認します。その後デバイスをシース先端から出して心室壁に固定されるか確認し、デバイスを切り離します。従来のペースメーカーの手技時間は2~3時間要していましたが、1症例目でも1時間程で手技を終了することができました。

リードレスペースメーカーの電池寿命は10年程といわれていますが、その頃には体外に取り出すことはできないので、電池寿命が近づいたタイミングでもう1個留置することになります。

今はまだリードレスペースメーカーの適応は限られてはいますが、今後様々な不整脈に対応できるリードレスペースメーカーが登場してくると思います。患者さんにとっても病院にとってもメリットのあるデバイスですのでさらなる発展に期待したいところです。

血管撮影・インターベンション認定技師 北畠 太郎