今回は鼻骨撮影についてお話させて頂きます。
鼻骨骨折は転倒、交通事故、スポーツ外傷などが主因です。主に整形外科と耳鼻咽喉科から撮影依頼が出されます。
鼻骨は前頭骨鼻縁と上顎骨前頭突起に接し、前方へ突出した薄い骨で、上縁は狭く厚く、下方は広く薄く前方に反っています。
撮影はウォーターズ撮影と側面撮影の2方向です。
ウォーターズ撮影
ウォーターズ撮影は鼻骨の軸像が前頭部に投影され、その辺縁及び内側が明瞭に識別され鼻中隔の変形が明瞭です。
撮影法は腹臥位で顎を前方に突き出し矢状面と鼻骨とが共に診察台に垂直になるようにさせます。X線中心は鼻根部を通り垂直の位置前方10度に入射します。
側面撮影
側面撮影は外傷による骨折、変形を明瞭にします。左右の上顎骨前縁を一致させる事により鼻骨の突出状態が最大となり鼻根部から鼻尖まで軟部組織も合わせて観察できます。
撮影法は仰向けでX線中心は鼻根部に垂直に入射します。
また、患者さんの状態により体位を変えて撮影する場合もあります。
軸位撮影法として交合型があります、座位で頭を固定して交合型フイルムを浅く口内に挿入し軽く噛ませ水平に保持させます。鼻根部に向けて頭部方向より垂直に入射します。あまり画像が明瞭でないのとX線CTで撮影依頼が出る様になり当院では25年前に廃止になりました。これからも私たち放射線技師は先生に最適な画像を提供させて頂きたいと思っております。