手根管撮影について


手根管とは?

今回は手根管撮影について書かせていただきます。手根管撮影は手根管症候群やその疑いに対して整形外科医が撮影依頼を出されます。手根管症候群は手根管内における正中神経の圧迫麻痺で最も頻度の多い神経障害です。(下図)屈筋腱鞘炎による手根管内圧の亢進、手の過度の使用、管内に発生したガングリオンなどの腫瘤、橈骨や手根骨骨折後の変形、妊娠などによる全身浮腫、長期血流透析に伴うアミロイド沈着などが発生の要因となります。症状は母指より環指橈側1/2の正中神経支配領域のしびれ感、知覚障害及び母指球筋の脱力、委縮が主訴となります。中年以降の女性に多く、利き手側に多く発症します。

手根管
日本整形外科学会HPより引用

撮影方法について

撮影は肘関節を伸展して手関節の下に発砲スチロールなどを置き手関節を背屈させて手掌面を垂直にします。中心エックス線を30度傾け、手根管をめがけて撮影します。 撮影されるエックス線像として第1指側より、手根管を形成する大菱形骨結節、舟状骨、有頭骨、有鈎骨の接戦像が描写し手根管の軸位像が描写されます。

手根管2

手根管3