妊婦さんのレントゲン撮影法


当院では10年前に産婦人科が閉鎖されましたが、環境が整い昨年の6月に再開しました。新B棟の二階に産科病棟も入り病室はまるでホテルのようです。(ちょっと大げさ?)

さて、出産が始まれば放射線技術科としても準備をしなければならないことがあります。それはX線骨盤計測法です。産科が閉鎖される以前は撮影していましたが、新人技師も入り撮影経験のない技師も増えましたのでベテラン技師も含めて再度勉強しなおすことにしました。産科にかかわりのない先生にはあまり馴染みのない撮影とは思いますが今回のテーマにさせてください。

X線骨盤計測法とは…

CPD(児頭骨盤不均衡)の恐れ(児頭が母体骨盤より大きいため児頭と母体骨盤の間の大きさに不均衡が生じて、陣痛があるにもかかわらず児頭が骨盤入口部に固定せず分娩が進行しない状態)のある妊婦さんの撮影です。
難産によって起こる母児への危険・障害を回避し最も安全な分娩様式を事前に選択する目的に行われ、産科における重要な検査の一つです。一般的には38週以降とされています。
X線によって骨盤の大きさと同時に児頭の大きさを計測するものでグースマン法(骨盤側面撮影法)とマルチウス法(骨盤入口撮影法)を同時に行うのが一般的です。
次に当院での撮影方法を紹介します。

月に数件しかないこの撮影は、正確性が重要な撮影であるとともに被験者が妊婦であるため被爆をできるだけ抑え、計測可能な必要最低限の線量で撮影しなければなりません。我々技師は丁寧かつ迅速に撮影できるよう日頃からシミュレーションを実施し、安全・安心な出産ができるよう放射線技師として陰ながら協力できればと思っています。