日本はCTの国


院内の広報誌「まちあい」で公開した記事ですが、先生にも是非紹介したいと思います。

日本のCTの保有台数ですが、先生は世界で何番目か?ご存知でしょうか?国の大きさを考えてみてください。先進国や発展途上国でも違ってくるでしょう。アメリカ!でしょうか?それとも中国、オーストリア?
さて答えは……..。

実は、私達の国の日本です。2014年のデータですが、1位は日本で12,943台、2位はアメリカで12,740台です。人口100万人あたりの台数はでも1位は日本で107台です。アメリカはなんと41台で、ドイツは35台です。このデータからもわかるように日本はこんな小さな国でありながら、どこでも、誰でも高水準な医療を受けることが可能であるということがわかります。ちなみにMRIの保有台数も世界1位です。加えて、日本は国民皆保険制度なので、世界で一番安い金額でCTやMRIを受けられる国なのです。意外と知られていない事実なので今回ご紹介させていただきました。

これだけCTが多いということは、適切な言葉ではないかもしれませんが、被ばくも多くなるということになります。日本は世界で唯一の被ばく国です。被ばくということに当然敏感になると思います。CTの線量指標にDRLs2015というものが公開され、日本の診療放射線技師はその線量指標を越えないように医師と共同で診療をおこなっています。当院でもDRLs2015を認識して、CTの被ばく線量を把握し、DRLs2015の線量指標を越えていないことを確認しています。

昨今の報道で小児の被ばくに関して取り上げられていますが、医師はリスクとベネフィットを考え、技師は診断を損なうことなく適切な線量で検査を行っていますので、安心してCT検査などを紹介いただきたいと思っています。今後はCTの被ばく線量管理を個人単位で考えていこうと考えています。また報告したいと思います。

放射線科技師長 高橋光幸